最近ブーム?『個室診療』のあれこれ

近年増えてきている、“個室診療”を行う歯科医院。患者さんと自分だけの空間にメリットはあるの?個室ならではのエピソードや、個室診療のメリットなどについてまとめました。

2018年12月4日 更新
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こんにちは。歯科衛生士のyunaです。皆さんが今お勤めの歯科医院は“個室”、ありますか?個室空間のある歯科医院とない歯科医院では雰囲気も随分変わります。今回は最近増えつつある“個室診療を行う歯科医院”について書いてみました。

個室診療を行う医院が増えてきた

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個室診療と言っても様々で、治療も予防歯科も完全に個室診療を行っている歯科医院もあれば、予防歯科のみ個室を設けていたり外科的処置のみを個室で行うなど多岐にわたります。古くから信頼されている歯科医院は個室のない場合ももちろんあるでしょうが、新しく開院した歯科医院は個室を設けている医院が多数あります。

私が普段勤めている歯科医院にも3つの個室があり、その個室では基本的に定期健診や予防処置などの歯科衛生士業務を行っています。場合によっては障がいを持つ方や歯科恐怖症をお持ちの方の施術を行うこともあります。知人の勤めている歯科医院は完全に全室個室で、待合室以外で他の方の顔を見ることはないような導線になっている医院だそうです。

個室のある医院が増えているということは、個室診療に様々なメリットがあるということですよね?では具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しくお伝えしていきます。

個室の機能的メリットは、感染予防

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私たち医療に従事する者は感染対策をきちんとしますし、対策するための知識ももちろん持っていますよね。では日々お越しになる患者さんはどうでしょうか。最近はメディアでも色々取り沙汰されているので、全くの無知という方は少ないかもしれません。しかし、歯科医院で治療を受けるためだけに専門的に勉強をする方はそんなに多くはないのではないでしょうか。

感染は空気感染や飛沫感染、接触感染がありますが空気感染であれば同じ空間にいるとアウトです。飛沫感染も距離が近いと心配です。パーテーションで区切られているだけでは感染を予防することが出来ないのです。切削時やスケーリング時に飛散する水分や唾液、血液なども目には見えにくいですが実際はかなりの量です。

きちんと感染予防を行おうと思った時、個室診療という選択を視野に入れないと実現が難しいというのが現状です。患者さんに安心して医療を受けてもらおうと思った時にとても大切なことですよね。

個室の心理的メリット

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例えば隣の人が何をされているか丸わかりで、お口の中の状況が筒抜けとなればプライバシーも何もありません。こんな状況下では患者さんも内心「いや、隣に人いるんだからもうちょっとくらい配慮してよ…」と感じていても不思議ではありません。私たち医療従事者は、患者さんのプライバシーや個人情報はきちんと守らねばならない立場なのです。

ですが個室でなければ、私たちが丁寧に説明をすればするほど周囲の人にその情報が漏れてしまう…なんということでしょう。これではちゃんとしたお仕事ができませんよね。最近では医療もサービスと言われるくらいです。施術は快適に受けていただきたいですよね。

患者さんのお口の中の状態は、ご本人と院内の人間以外が知る必要は全くない情報なのです。しかしご本人にはしっかりと理解をしていただきたい大切なことです。個室であれば他の患者さんに会話内容など聞かれることなくきちんとお話しできます。質の高い医療の提供にも個室は一役買うというわけです。

個室ならではの…

①印象的なエピソード

「〇〇さんこんにちは。〇番のお部屋にどうぞー!」と、元気よく患者さんを導入し勢いよくドアを開けると…あれ?既に先客が。「失礼いたしました、間違えました…」と引き返したことが何度かありました。そのお部屋を使用していた歯科衛生士さんと患者さんは唖然、私と導入された患者さんは苦笑。ああ、なんと空気の重いこと。ご案内のお部屋は間違えないようにしましょうね。

また、良くも悪くも個室なので自身とお相手二人きりの空間です。ひたすらご自身のお話に時間を費やしお口を開けてくれないご婦人、口臭だけでなく様々な臭いのする方、下心見え見えな男性まで様々な方との“二人きり”を体験してきました。本当に危険を感じた場合は早めに先生や先輩に相談してください。

周囲の目がないので、ちょっとした世間話をしやすくなり患者さんとの距離がグッと縮まるのはとても嬉しいことだなと毎回思います。が、ときたま私なんかが聞いてしまって良かったのかと思うほど深いお話しをされることもあります。下手なことが言えないので変な汗をかいてしまいます。
一番は、“見てくれている人がいない”というところです。ある程度自由にできるので気負いせず施術にあたることができます。しかしそれは、自分がきちんと責任をとらなければならないということです。たまたま後ろを通りかかった先輩衛生士からのアドバイスはありません。唐突に飛んできた難しい質問に、助け船を出してくれる先生もその空間にはいません。

きちんとした知識、技術を有していないと一人で対応することが難しくなってしまうのは、個室の唯一の難点なのではないかなと感じています。しかし、患者さんに間違ったことをお伝えすることは絶対に良くないので個室であろうが何であろうが必ず分かる人に確認をしましょう!

個室診療のほうがスキルアップできる?

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この記事のキュレーター

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