【ポイント解説】インレーセットまでの術式の流れ

補綴物の調整でゴールがわからずやみくもに削っていませんか? 調整のゴールを知っておけば、無駄な作業も減りますし患者さんの負担も減ります。 知っておきたい調整のゴール、さらにコツをご紹介します!

2019年3月15日 更新
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どこがインレー調整のゴール?

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補綴物の調整でゴールがわからずやみくもに削っていませんか?
調整のゴールを知っておけば、無駄な作業も減りますし、患者さんの負担も減らすことができます。

知っておきたい調整のゴール、さらにコツをお伝えしますので是非、明日からインレー調整に実践してみて下さい。

まずは、補綴物がどういった形か把握しておく。咬合面だけの窩洞なのか、隣接面を含む窩洞なのかによって、それによって準備する物が異なります。それでは、インレーの試適からご紹介します!

インレー試適

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仮封を外した後にインレーを試適します。
~咬合面だけインレーの場合~
窩洞に対してカタカタせずきちんと入っているかを確認してください。
もしカタカタしている場合は、フィットチェッカーなどを使用して強く接している部分を少しずつ削っていって下さい。

~隣接面を含む窩洞の場合~
インレーを試適してみてコンタクトがきつい場合はインレーが窩洞に入りません。
明らかに入っていない場合はコンタクトゲージは使う必要はありません。

コンタクト調整

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カーボランダムポイントで少しずつ調整をしますが、コンタクト部は平らに削るのではなくコンタクトポイントを作るイメージで削って下さい。
窩洞に入るようになってからコンタクトゲージを初めて使用します。
コンタクトポイント(接触点)が上過ぎるとブラックトライアングルが大きくなり歯間乳頭部に物が入ります。
逆にコンタクトポイントが下過ぎると、咬合面から繊維質の物が詰まりやすくなります。
コンタクトポイントについては、他の歯を参考にしながらすると良いでしょう。
50のコンタクトゲージが入って、100のコンタクトゲージが入らない程度が良いと言われています。フロスが少し抵抗があるけど、パチンっと入る程度です。

コンタクトポイントは技工士さんがきちんと調整してくれていますが、口腔内で調整をすれば段々変わってきますので、口腔内で調整する人がきちんと理解して調整しましょう。
両隣接調整が必要な場合は要注意です。
例えば、近心面を調整して次に遠心面を調整すると近心面がスカスカになっていたりする場合もあります。なので、近遠心を別々に調整するのではなく、近遠心を一緒に少しずつ調整した方が良いです。

咬合調整

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補綴物を入れる前に中心咬合位で噛んでもらいそれを確認します。
患者さんによっては、前噛みしたりする場合もあるので、リラックスしていつも通りの中心咬合位で噛んでもらいます。その状態を自分で記憶しておきます。
例えば歯のすり減りがピッタリ合う所を記憶するとか、ご自身で分かりやすい所を記憶して下さい。
その後補綴物を入れてゆっくりと噛んでもらいます。患者さんは分からないのでいきなり思いっきり噛む事もあります。高かった場合はかなり痛いので、こちらから指示して下さい。
中心咬合位で噛んで貰い、補綴物がない場合の中心咬合位との差がさほどなければ調整は少しで済みます。しかし、差がかなりある場合は調整が多めに必要です。
咬合紙を使用しますが、咬合が当たる場所には赤い印が付きますが、さらに強く当たるところには赤い印の中が透けています。そこを最初に削って下さい。
さらに咬合は、どこでも当たっていい訳ではありません。
上顎は口蓋咬頭に、下顎は頬側咬頭に当てて下さい。山と谷を作るイメージで削ってみて下さい。円盤型のカーボランダムポイントをお勧めします。

例えば右下6番にインレーセットするとします。
インレーを右下6番に入れた状態で咬合紙を噛んだままにしてもらいその状態で咬合紙の引っ張られる強さの感触と、反対側の6番あたりに咬合紙を入れて同じことをしてもらい咬合紙の引っ張られ具合の差を感じてみて下さい。
それが同じ引っ張られ具合というのも判断材料になるかと思います。

中心咬合位での調整が終わったら、初めて患者さんに「高くないですか?」と尋ねてみて下さい。何故かと言うと、患者さんは何度も補綴物を出し入れされて訳がわからなくなっています。ご自身がこれで大丈夫っと思ってから尋ねる事で患者さんの混乱は少なく済むと思います。

側方運動の調整

次に側方運動です。中心咬合の調整が終わってからの作業になります。
中心咬合位の調整が終わっていないのに側方運動の調整はNGです。

側方運動も中心咬合と同じように補綴物が入っていない状態で側方運動をしてもらいます。
補綴物を入れて同じ動きになるように調整していきます。
側方運動は、犬歯誘導といって3番を中心に側方運動をします。3番が中心に側方運動できていない場合は削って、スムーズに側方運動が出来るように調整を行います。

この時の注意点は、大きく大げさにギリギリして頂く事です。
歯と歯のすり減りが合う位置以上に側方運動をしてもらうと間違いありません。

側方運動の調整が終わったら患者さんに「ギリギリした時に引っ掛かりはありませんか?」と尋ねてみて下さい。

研磨

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