メンテナンスとSPTの違いとは?

メンテナンスとSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)の違いについて、衛生士が知っておくべきポイントをまとめました。

2018年6月14日 更新
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メンテナンスとSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)の違いについて十分に理解できてない歯科衛生士さんは多いようです。似たような処置をしますが実際の目的や効果は大きく異なります。
しっかりとメンテナンスとSPTの違いについて理解するようにしましょう。


メンテナンスとは

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メンテナンスとは歯周病治療で症状が治癒した状態で行う処置です。目的としては歯周治療で回復したアタッチメントレベルを維持すること、つまりアタッチメントロスを予防するのが目的になります。

他にも補綴物やレジンなど修復部位が破損していないかチェックしたり、う蝕の有無について確認したりすることもメンテナンスに含まれます。

では、治癒というのはどういう状況を言うのでしょうか。歯周病治療で症状の治癒というのは以下の状況を言います。

・ 歯肉の炎症がない
・ プロービング時の出血がない
・ 歯周ポケットが4mm未満
・ 歯の動揺が生理的範囲内

症状が治癒しているかどうかは歯周組織検査3か4の後に判断します。症状が治癒していればメンテナンスへ、治癒していないけれど病状が安定していると診断されればSPTへと移行していきます。

メンテナンス中は最初1〜2か月の間隔で来院してもらい徐々にメンテナンス間隔を伸ばしていくのが一般的です。
メンテナンス感覚を決める要素には患者さんのプラークコントロールレベルやリスクファクターの有無によって判断されます。

患者さんが行うセルフケアもメンテナンスを行う上で大切になります。
患者さんのセルフケアはPCR値で評価をし、目安としてPCR値が20%以下であればセルフケアが良好と判断できます。

SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)とは

メンテナンスと異なり、SPTは治癒していないものの、病状が安定している場合に行います。歯周組織検査3または4の後、歯周組織のほとんどは健康を回復しているけれど、一部分に進行が休止している病変が残っている場合に「病状安定」と判断されます。

例えば、プロービング時の出血を認めない4mm以上の歯周ポケット、根分岐部病変、歯の動揺などが認められる場合、それは病状安定とされ、SPTの対象となります。
ただし、これらは目安なだけであって患者さんの持病や清掃状況など症例によって異なります。

つまりSPTは治療過程の1つです。
メンテナンスとは異なり、歯周病の進行をしないようにして、治癒へ向かわせることが目的になります。
歯科医師による咬合調整や骨吸収などアタッチメントレベルの診断をもとに、衛生士さんはSCやPMTC、TBIを行います。

SPTで衛生士さんに覚えておいて欲しいのはSPTでは歯に対する歯肉の上皮性付着を安定させるのが最終目的になるのです。どうしてもアタッチメントロスの後にはセメント質に歯肉が上皮性付着をします。患者さんが少しでも怠けてしまうとすぐに上皮性付着が剥がれて歯周ポケットが出来てしまうので、SPTを行い、治癒へ向かわせるようにしましょう。

これからのSPTの重要性

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SPTがなぜ重要だと言われるのでしょうか。それは長期的に見たときにプロフェッショナルケアが歯周病予防に効果的だからです。
さらにSPTを通して患者さんのモチベーション維持や清掃指導を実施することも歯周病予防に効果的です。

患者さんのモチベーションが落ちてしまうとセルフケアの質が下がることにつながってしまいます。バイオフィルムの形成を防ぐためにも日々のセルフケアはとても重要になりますね。
ただし、セルフケアだけでは歯周病を治療することが難しいのでプロフェッショナルケアにも通ってもらう。患者さんに治療へ参加してもらうようにするのも衛生士さんの大事な仕事です。



保険診療における違い

保険診療制度では同じ歯周病の治療や予防をするにしても保険診療でカバーできる範囲とできない範囲があります。
メンテナンスとSPTで見るとSPTは保険診療の適用範囲内です。
これはSPTが歯周病治療において治療の1つだからです。

一方メンテナンスは歯周病が治癒している状態で予防のために通院してもらっています。保険診療は疾患がなければ適用できないという問題があります。

そのため、一般的にメンテナンスと称されるものは全て自費診療になります。メンテナンスでSRPやPMTCをする際に保険診療で処置を行うと不正請求となる可能性もあるので注意が必要です。



おわりに

メンテナンスとSPTはともに歯周病治療で使われる用語ですが目的が大きく異なりました。メンテナンスは治癒した歯周病が再発しないようにすることが目的で、SPTは歯周病を治癒することが目的だったのです。

一度歯周病にかかってしまうと治癒するまでに時間がかかると言われますが、治療期間を短くするためには患者さんの協力も必要になります。
患者さんのモチベーションを維持させて治療期間を短くさせることも衛生士さんの仕事の1つです。ぜひ患者さんのためになるような治療を実現できるようサポートしていきましょう。
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この記事のキュレーター

きりけん きりけん