予防歯科での栄養指導とは? ポイントまとめ

いくら栄養指導をしても患者さんがなかなか実践してくれない・・・なんていう経験はありませんか?そんな歯科衛生士のために、要望歯科での栄養指導のコツについてまとめました。

2018年6月21日 更新
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虫歯や歯周病になる原因は、歯磨きの仕方が悪かっただけではありません。

歯に停滞しやすい食べ物をよく食べるせいで、口の中が常に「酸性状態」になり、歯が脱灰したりプラークが形成されて、虫歯や歯ぐきが腫れる原因になっていたのです。

そんな食生活をしている患者さんに、いくらスケーリングやTBIをおこなっても、また繰り返し虫歯や歯周病になってしまうでしょう。

もちろんそれは大人の方だけではありません。子ども達も同じです。

でもわたし達歯科衛生士がいくら「バランスの良い食事をとりましょう」「よく噛んで食べましょう」「おやつは時間を決めて食べましょう」と栄養指導をおこなっても、なかなか改善してくれない患者さんが多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、子ども達でも簡単にできる「バランスの良い食事をよく噛んで食べる方法」を紹介していきます。

ぜひあなたが患者さんの栄養指導をおこなうときの参考になさってくださいね。


患者さんへの栄養指導が難しいわけ

 (432)

「バランスのいい食事」や「よく噛んで食べること」が歯や体に良いことは、お母さんたちも知っているはずです。

でも共働きの家庭が多い中、「バランスの良い食事をとりましょう」「よく噛んで食べましょう」など、抽象的な指導をしても、なかなか実行してもらえることは難しく、逆にお母さん達を困らせることになってしまうんです


例えばバランスのいい食事を考えたとき、野菜や海藻や魚など1日30品目の食材を使って料理をしなければならない…とお母さんが考えてしまえば、それだけでストレスを感じてしまうと思いませんか?

働いていたり何人も子供がいるお母さんにとっては、食事を作るのも大変な仕事です。そのため仕方なく、レトルト食品やファーストフードに頼ることが多くなり、柔らかく添加物や糖分の多い食事を子ども達が食べることになってしまうのです。

栄養指導のポイント

 (433)

では具体的にどのように栄養指導をおこなえばいいのでしょうか?

答えはものすごくシンプルで、主食をお米に変えてもらえばいいのです

例えばパン食などいわゆる「カタカナ食」では、砂糖たっぷりなジャムやマヨネーズ、ウインナーやハムなど、添加物や油や砂糖が一気に増えますよね。
しかもあまり噛まずに食べられるため、口の中に食べ物が停滞しやすく自浄作用も低いため、虫歯や歯周病の原因になりやすくなるのです。



一方で主食がお米になれば、

• 季節物の野菜の煮物
• 味噌汁
• 焼き魚
• 納豆


など添加物や砂糖がかなり少ないおかずにすることができます。

もっと簡単なところでは、主食に玄米や雑穀を混ぜることを提案してみましょう!

玄米の発芽や表皮には

• ビタミン
• ミネラル
• タンパク質


などわたし達人間の体に必要な栄養素を多く含んでいます。

その栄養を全て捨ててしまっている白米を食べるより、玄米を食べた方が栄養バランスが一気に良くなるのは当たり前ですよね。

しかも主食に玄米や雑穀米を取り入れれば、白米だけのときより噛む回数が確実に増えます。

子供がよく噛まずに飲み込むのは、簡単に飲み込める料理ばかりを出しているから。

でも玄米やサラダの野菜を大きく切ったり、お肉はミンチを使わないなど「あえて噛みにくい食事」を作るように提案すれば、お母さんたちも普段より包丁で切る回数も減るため、簡単に「噛みにくい食事」が作れるわけなんです。



具体的な提案をせず、ただ「バランスのいい食事を作りましょう」「よく噛んで食べさせましょう」などと抽象的な提案をしても、お母さん達はどうしていいのか分からず、「1日30品目も使って食事を作るなんて無理…」と最初から諦めてしまいます。

患者さんが出来ない提案をすることは、何も提案してないのと同じことです!

でもパンだった主食を白米に。そして白米だった主食に雑穀や玄米を混ぜることは誰だってできることですよね。

栄養指導のポイントは相手に「ベスト」を求めるのではなく、今より「ベター」な状態になってもらうということが大切なのです。

子供やお母さんに栄養指導をするときに心がけてほしいこと

 (434)

大人の方に間食の摂り方や栄養指導をしても、仕事の飲み会や外食などでなかなか取り入れてもらうことが難しいですよね。

でも子供の場合は違います!

虫歯や歯肉炎になっている子ども達は、食生活が黄色信号になっています。

そのままの食生活を続けさせていては、症状が悪化することは目に見えています。

例えば味覚が形成される大切な時期にお菓子やファーストフードばかり食べて育った子は、その味に慣れてしまうため、きっと大人になってからもお菓子やファーストフードを食べるでしょう。



でも小さい頃からご飯やお味噌汁などの和食を食べさせ、よく噛む習慣を身に付けた子は、この先大人になっても、口の中に大きなトラブルが起こることは少なくなります。



これらの栄養指導を小さい頃からお話しできる歯科衛生士が増えれば、虫歯や歯周病で苦しむ患者さんを減らすことができる!とわたしは思うんです。


おわりに

わたし達歯科衛生士が栄養指導をおこなうとき、つい「砂糖のとり方」や「よく噛んで食べましょう」と指導することが多いですよね。

もちろん、その指導は大切なことです。

しかし患者さんに実行してもらえなければ、その指導は意味がありません。

だからこそ、まずは毎日必ず食べる主食をご飯や玄米にすることを提案してみましょう!

主食が変わればおかずが変わります。
和食を中心としたおかずが増えれば、砂糖や添加物など、歯に停滞しやすい物を食べる機会が一気に減るのです。
これだけでも十分虫歯や歯周病予防になりますよね。

あなたもまずは、ベストではなく、ベターを目指す指導をおこなってみませんか?
口は始めに食べ物が入ってくる場所です!だからこそ食べ物が変われば口の中も変わるのです!
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この記事のキュレーター

まみん まみん