感染症の患者さんにはどう接する?

あなたの勤めているクリニック、また病院では感染症の患者さんは来院されますか? 感染症専門の大学病院も存在しますので、感染症の患者さんに出会ったことがない歯科衛生士もいるかもしれませんね。 しかし実は一般開業医の歯科医院に来院される感染症の患者さんも少なくないのです。 何も準備がないまま、感染症の患者さんを受け入れるのは非常にリスキーです。 この記事と一緒に、日頃から心の準備を整えましょう。

2019年3月25日 更新
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あなたの勤めているクリニック、また病院では感染症の患者さんは来院されますか?

感染症専門の大学病院も存在しますので、感染症の患者さんに出会ったことがない歯科衛生士もいるかもしれませんね。

しかし実は一般開業医の歯科医院に来院される感染症の患者さんも少なくないのです。
何も準備がないまま、感染症の患者さんを受け入れるのは非常に危険です。
日頃から心の準備を整えましょう。

大切なのは「初診の問診」

 (1785)

あなたのクリニックでは、初診の患者さんの際どれくらいの時間をかけて行なっていますか?
きちんと問診表と照らし合わせながら、1つ1つ患者さんと確認していますか?

実は書き間違えていたり、書かなくてもいいと判断して書いていない場合が多々あるのです。

痛い歯の部位を、左右上下、間違えて書いてあることは日常茶飯事ですよね。
また、痛みの感じ方やニュアンスも人それぞれ異なるので、細かく対話していくことが適正な診察に繋がります。

患者さんと声に出して確認していくことは必ず行ないましょう。


そして今回1番重要なのは、感染症だということを記載していない場合のことです。

残念なことに感染症の患者さんをお断りするクリニックも存在するため、
患者さんは感染症だということを隠さないと診てもらえないと思っている場合があります。

また、感染症の患者さんには高齢者も多く、自分が感染症だということや感染症がどういう病気なのか正確に理解できていない場合もあります。
付き添いの親族の方がいらっしゃったときには一緒に問診表を確認してもらいましょう。

問診表に書かれていなくてもお薬手帳を確認すれば、感染症のお薬を飲んでいるかチェックすることができます。

お薬手帳も必ず確認しましょう。


実際に私の勤めている医院で、初診の時点で感染症だということを見逃してしまった事例がありました。

2回目の来院の際に、別のスタッフが気づきましたが、このまま気づかずに観血処置をしていたらと思うと恐ろしいです。

私たち医療従事者と他の患者さんの安全を守るために、初診の際にはしっかり患者さんの情報を得られるようにしましょう。

感染症の患者さんを見つける、問診ポイント

 (1786)

先ほど申し上げた通り、初診での問診を慎重に行なうことは非常に大切です。

そして、問診の中で“もしかしたら感染症かもしれない”と勘付くスキルが必要です。
ポイントがありますのでご紹介いたします。

まず、全身疾患から感染症を見つける方法です。
歯科の治療において全身疾患が大きく関わってくる病気はたくさんあります。

問診表の欄の中で“今現在、全身的なご病気はありますか?”という質問、ありますよね。
おそらくどこのクリニック・病院でも、初診で伺っている内容だと思います。

その質問に対して、
[脳] [心臓] [肺] [肝臓] [胃] ・・・etc とあった場合、

患者さんは[肝臓]に〇を付けてはいるもの、“B型肝炎”と自ら書くことは残念ながら少ないです。

こちらから「肝炎ですか?」と積極的に伺うことが必須になってきます。
もちろん、感染症ではない病気の場合もあります! 患者さんの気持ちに配慮しながら伺いましょう。


また、HIVや梅毒などは口腔内診査にて異変に気付くことができます。
患者さん自身もまだ自覚症状がない場合もありますので、疑問をもったときはすぐに歯科医師に報告しましょう。

特にHIVの初期症状は口腔内によくみられます。
歯科衛生士として早期発見早期治療に努めていきましょう。

備品の準備はできていますか?

 (1787)

備品の準備が完璧に整っている開業医の歯科医院はそう多くないと思われます。

実際に、私のクリニックには他の医院や病院から依頼の連絡がたびたび来ます。
おそらく依頼してくださる医院さんには感染症の患者さん用の備品は無いのでしょう。

ユニット周辺、患者さんが触れるものや体液・唾液がかかりそうな所をすべて覆い、次の患者さんの際にはすべて取り替えなくてはなりません。

消毒液に関しても、普段から感染症にも有効なものを使用していれば問題ありませんが、そうでない場合は消毒液も変えなくてはなりません。

歯科衛生士のあなたは当然ご存知だと思いますが、感染症に有効的な消毒液はグルタラール製剤やフルタラール製剤・次亜塩素酸ナトリウムなどです。
感染症の患者さんが来院されたときにはこれらを使用するようにしましょう。


備品の準備といっても、本来ならばスタンダードプレコーションを徹底していれば問題はないはずです。
しかし消毒滅菌に関しては、学校で習得したような理想通りにはいかないのが現状だとは思います。

一定の水準を保ちつつ、スムーズに診療を進められるよう日々改良を重ねていくことが大切だと考えます。
 

感染症の患者さんへの接し方

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冒頭でお話させていただいたように、実は感染症の患者さんは身近にいらっしゃいます。

他の患者さんのために、きちんと把握し対応するにはどうすればよいでしょうか。

それは、問診や全身疾患の話の際は、他の患者さんに聞こえないよう配慮することです。

感染症の患者さんは、他のクリニックや病院で断られた経験があるゆえに、打ち明けるのが難しいものです。
特に他の患者さんに聞こえていたり、大きな声で話されると、余計に言えなくなってしまうでしょう。

個人情報やカルテの管理は、いつも以上に慎重に丁寧に取り扱いましょう。

また、歯科の場合、「痛くなければ来ない」という患者さんはよくいらっしゃいますよね。
感染症の患者さんも同じです。

それに加えて感染症の申告のことが億劫になっている可能性があります。

つまり、急患初診で来院される場合がよくあります。

急患でいらっしゃったときには、ゆったりと時間をとることが難しいかもしれません。
しかし、自ら申告してくれた患者さんの気持ちを慮ると、おのずと丁寧に接することができるのではないでしょうか。

おわりに

感染症の患者さんに出会ったことがない!なんて思っている歯科衛生士の方も、実はもう何度も診ている可能性があります。

なので、日頃から標準予防策(スタンダードプレコーション)を実践することが何よりも大事です。

また医療従事者の私たちは、定期的なワクチン接種をすることも重要となります。

ちなみにB型肝炎の抗体は2~3年ほどで消失してしまいます。
あなたが最後にワクチン接種をしたのはいつですか?

歯科衛生士として勤める以上、欠かさずワクチン接種は行なっておきましょう。

いつどんな患者さんが来院されても、万全な状態で受け入れられるとベストですね。
明日から是非意識してみてください。
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