歯科衛生士がこどもへの対応で気をつけるべきポイント

あなたは小児の患者さんの対応は得意ですか?苦手ですか?私は以前までとても苦手でした。 思うように行動してもらえないもどかしさや、何を話したら喜んでもらえるのかが分からなくて戸惑っていました。 しかし今では私が対応すると「いつもはダメなのにお姉さんなら言うことを聞いてくれる」と言っていただくまで成長することができました。 そんな私が小児歯科で勤めていた経験からこの記事を書かせていただきます。

2019年3月25日 更新
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あなたは小児の患者さんの対応は得意ですか?苦手ですか?私は以前までとても苦手でした。
思うように行動してもらえないもどかしさや、何を話したら喜んでもらえるのかが分からなくて戸惑っていました。
しかし今では私が対応すると「いつもはダメなのにお姉さんなら言うことを聞いてくれる」と言っていただくまで成長することができました。

そんな私が小児歯科で勤めていた経験から、いくつかポイントをご紹介します。

生え変わる乳歯に注意!

乳歯の最大の特徴は〝歯が生え変わること〟です。
来院の際には、毎回歯式をとらないといけませんね!
成長過程において、歯の生え変わりが順調に行なわれているか常にチェックしていく必要があります。
一方、虫歯や歯の異常に関して「乳歯は生え変わるから大丈夫」と認識されている保護者の方もいらっしゃいます。
乳歯の虫歯や根尖病巣などは後続永久歯にも影響があるということをしっかり養育者に伝えていきましょう!

また、乳歯は永久歯に比べて齲蝕になりやすく進行しやすい傾向にあります。
乳歯の物理化学的特徴として、永久歯よりも硬度が低く、有機質も多く、結晶のサイズが小さいためです
それに加えて、乳歯は小窩裂溝が深く、複雑に入り組んでいるためプラークがたまりやすい形態といえるでしょう。
大人でも100%完璧にブラッシングをするのは簡単ではありませんので、子どもにとって、より難しいということは容易に想像することができます。
リスクの高い乳歯の時期、あるい小児自身がある程度プラークコントロールできるようになるまでは、養育者の仕上げ磨きが必須と言えます。

乳歯のメリットとして、唾液がたくさん出ることが挙げられます。
あなたも小児の患者さんを診ているときに唾液で困ったことが1度はあるのではないでしょうか?
特にフッ素塗布の際にはスムーズに防湿できないことが多いですよね。
初めに綿のワッテなどで口腔内の全体を拭き取ってから、ロールワッテを挟んでいくとある程度コントロールすることができます。また、ロールワッテだけですと、小児が押し出してきてしまうこともあるので、ロールワッテに綿のワッテを巻くと粘膜との馴染みがいいように思います。
小児の口腔内に合わせて、ロールワッテや綿のワッテの形状を変えながらフィットさせていくのがポイントですね!

小児の歯科治療のポイント

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①子どもが親しみやすい環境を整える

医院にキッズグッズやキャラクターのおもちゃや絵本をおいているクリニックは少なくないですよね!
子どもは目で楽しめるカラフルなものや可愛いもの・かっこいいものが大好きです。
なので私は、お子さんを対応するときのみ普段は使わないキャラクターのボールペンを胸ポケットに指しています。お話のネタにもなりますし、見つけると喜んでくれる子が多いです!
また優しい声でゆっくり話すことや握手、頭を撫でるなどのスキンシップも効果的です。
当然のことながら、笑顔で目の高さを合わせてお話することも忘れないでくださいね!

②恐怖を連想させる器具を見せない

抜歯鉗子や麻酔注射器などは直前まで隠しましょう。歯科医師との器具の受け渡しの際も、見えないように行なうのがポイントです。
その代わり、スリーウェイシリンジやバキュームなどは見て体験させてあげることが大事です。
怖くないと分かると、自分から触って楽しんでくれるようになるので、そうなると次のステップに進みやすくなります。
基本的な器具を最初にマスターできるかが今後の治療に大きく関わってきますね。

③チェアタイムを短く、かつコミュニケーションで飽きさせない

小児の患者さんが来院される場合は、その日使う器具を漏れることなく全て用意しましょう。
大人にはちょっとの時間でも、お子さんにとっては長く感じますので器具を取りに行く無駄な時間は極力省きましょう。
また診療中にたくさんコミュニケーションをとることは結果的にチェアタイムを短くします。
私は口腔内診査や歯ブラシをあてているとき、フッ素塗布の最中など、なるべく多く話しかけるようにしています。
女の子には「お姫様みたいだね!」「こんなにできるなんてお姉さんだね!」
男の子には「かっこいいね!」「さすが~!」「スーパーマンだ~」
そのほかにも、
「こんな上手にできるなんてもう大人だね~!」「こんな上手な子、いままで見たことないよ~!」「前来てくれたときよりレベルアップしてるね!」「大人でも難しいのにできるなんてすごい!」 「え~5歳なの?!あまりに上手だから小学生かと思っちゃった!」「歯医者さんのプロだ~!」・・・etc
とにかくたくさん褒めてあげることが大切です。
それから、「今日はなにを食べたの?」「クラスの子は何人いるの?」「春休みはいつからなの?」
など最近の生活を聞くことも非常に効果的です。
1つ聞くと10くらいご機嫌でお話してくれますし、その会話から普段の日常生活や家庭環境を知ることもできます。
ささいなことの中から治療のヒントになることが隠されているときがあります。

「言うことを聞いてくれない…」そんな時伝わりやすい言葉

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バキュームのことを〝ぞうさん〟〝そうじき〟と言ったり、エアーのことを〝風さん〟と言ったり、お子さんに伝わりやすい用語はたくさんあると思います。1つ1つの器具の用語以外にも、治療をスムーズにさせる話し言葉がありますので一部ご紹介させてください。

・口を大きく開けてほしいとき 「いちばん大きいあーんして!」
成人の患者さんと同じように「大きく口を開けてください」ですと〝大きい〟の大きさはその子それぞれなので案外開けてくれない場合があります。そのときに使えるのが〝いちばん〟です。その子の中の史上最大の大きさでお口を開けてくれます!

・手足をじっとしてほしいとき 「おててはおへそ!」
ユニットの上で手足をバタバタ動かすお子さんは多いですよね。歯科治療への不安や恐怖からどうしても体を動かしたくなってしまうものと思われます。言葉としてはそのままの意味ですが、手をお腹におくという行為は内臓が詰まっている、いわば〝急所〟を守る行為でもあるのです。なので声をかけてあげると自然とやってくれる子が多いと感じています。

保護者・養育者とのかかわり方

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この記事のキュレーター

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