保健指導とは?コツやポイントまとめ

患者さんのセルフケアのスキルアップをお手伝いし、患者さんが今だけでなく、一生涯を通じて自分の歯で美味しく食事ができるようにするのは、歯科衛生士にとっての理想です。そのためにどのような歯科保健指導がベストか、ご紹介します!

2018年6月29日 更新
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歯周病や虫歯も、糖尿病と同じく生活習慣病です。

そのため患者さん自身が生活習慣を改めないと、なかなか症状は良くなりませんし、治るまでに時間もかかってしまいますよね。

しかし、患者さん1人では十分なセルフケアはできません。

そんなときわたし達歯科衛生士が、患者さんのセルフケアのスキルアップをお手伝いし、患者さんが今だけでなく、一生涯を通じて自分の歯で美味しく食事ができるように、歯科保健指導を通じてサポートしていきましょう!

でも、臨床では「なかなか患者さんのブラッシングテクニックが上がらない」「生活習慣が変わらない」と、悩むこともありますよね。

そんなとき、歯科衛生士は何を考え、何を見直すことで、患者さんの健康支援をおこなっていけばいいのでしょうか?

一方的な保健指導では患者さんは変わらない

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「何度ブラッシング指導を繰り返しても、同じ場所が磨けてない…」
「普段は全然磨いてないのに、歯医者に来るときだけ綺麗に磨いてくる…」

という悩みは、歯科衛生士なら日常的に経験しますよね。
 
こちらの思いとは裏腹に、一向に患者さんのブラッシングテクニックが上がらない…。このような場合、歯科衛生士側の一方的な歯科保健指導が原因になっていることが多いんです。

 
「小刻み2本ずつ時間をかけて磨きましょう!」とあなたもつい、教科書のような指導を繰り返していませんか?

日常の生活習慣を変えることは、どんなに小さなことでも患者さんにとっては負担になってしまいます。

そのため、今までと違うブラッシング方法を受け入れてもらうには、患者さんの口腔内だけではなく、

• 手先の器用さや
• 自分の口腔内における関心度
• ライフスタイル

など、さまざまな背景を考慮した歯科保健指導が必要になるのです。

 

患者さんの生活習慣を変えることは簡単ではない

今まで続けてきた習慣をいきなり変えることは、患者さんによっては大きな負担になることがあります。

そのことをわたし達は十分理解して、患者さん1人1人に合わせた目標を決めていく必要があるのです。

例えば、歯ブラシを適切な角度に当てて細かく動かすことは、わたし達歯科衛生士にとっては簡単なことですよね。

しかし、複雑な形をした歯をブラッシングすることは、手先の器用さや高度なテクニックが必要なため、子どもやお年寄りなど全員に求めることには無理があります。
 
さらに「時間をかけて丁寧に磨く」という一見すると簡単なことでも、患者さんによっては、かなりの負担になることだってあるかもしれません。
 
そんなとき、一方的な指導ではなく、短い歯磨き時間の中でもっとも効果的に磨ける方法を一緒に探し提案していくことが、歯科保健指導をおこなううえで大切なポイントになるのです。

 

患者さんの変えられること・変えられないことを知る

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「ブラッシングに時間はかけられない」
「時間はかけられるけど、ブラッシングテクニックの習得が難しい」
「定期的に通院できない」

など、患者さんによってブラッシング事情はさまざまです。
 
そんな多種多様な患者さんがいる中で、わたし達歯科衛生士は患者さん1人1人に合ったブラッシング方法を提案していかなくてはいけません。
 
もし指導したことが日常生活の中で継続できないときは、例えばブラッシング方法を変えるのではなく、

• 幅の大きな歯ブラシを使ってもらう
• フッ化物含有の歯磨き粉を使ってもらう

など、患者さん1人1人に合わせたセルフケア用品を提案することで、患者さんの負担を少なくしながらブラッシングを継続できるよう工夫してみましょう。

 
ブラッシング指導をおこなうときに、どこに重点をもって指導していくのか、またプロフェッショナルケアではどんな風にバックアップし、どうカバーをしていけばいいのかも、歯科保健指導をおこなううえでは大切なポイントになるのです。

歯科保健指導を受け入れてもらうために大切なこと

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患者さんの負担を理解せず一方的な歯科保健指導をおこなっていても、患者さんは変わりません。

たとえその場では「分かりました。」とうなずいていても、内心では「いつも同じことばかり言われる」「磨き残しばかりを指摘される」と、まったく指導内容が届いてないため、いつまで経っても患者さんのブラッシングテクニックは上達しないのです。
 
歯科保健指導をおこなううえ大切なことは「共感」です。
 
でも一方的な指導をおこなっていても、歯科衛生士と患者さん双方が幸せにはなりません。
 

なぜそう言えるのか?

実はわたしには、患者さんに自分の思いを受け入れてもらおうと、必死に歯科保健指導をおこなっていた過去があるんです。

もちろんそんな指導を続けていても、患者さんのブラッシングテクニックはなかなか上達しませんでした。
そこで実感したんです。

こちらの思いを患者さんに受け入れてもらおうとするのではなく、わたし自身が患者さんの価値観や思いを理解し共感することが、歯科保健指導がうまくいくコツなんだと。

おわりに

人は共感されたり、小さなことでも褒められると、自信ややる気が出てきます。

わたし達は歯科保健指導をおこなうとき、つい患者さんの磨けてない部分や欠点ばかりが目に入ってしまい、一方的な指導になることがよくありますよね。


しかし歯科保健指導をおこなうときに大切なことは

• 口腔内の状態
• 患者さんの要望
• ライフスタイル

などの患者さんの気持ちや生活背景まで考慮したうえで、セルフケアやプロフェッショナルケアのバランスを考えていくことです。

ぜひあなたも、患者さんの価値観や思いに「共感」し、患者さんが一生自分の歯で美味しく食事ができるように、歯科保健指導を通じてサポートしていきましょう!
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この記事のキュレーター

まみん まみん